ネットから学ぶデジカメの基本
わが国企業が対中直接投資を行う場合の動機について、日本輸出入銀行が・六年三月に集計結果を発表した「対中投資アンケート」でみると、回答のあった三二社のうち八割以上の一〇八社が「中国市場」をあげ、他の動機を圧倒しています。
このほか中国市場の可能性を意識した「中国での企業イメージの確立」、「同業他社に先駆けての進出」、「同業他社の進出」というものも多くなっています。
現在中国市場は外国企業に十分開放されているわけではなく、中国国内での外貨払いも中国の外貨事情から限定的ですが、中国の今後の発展を長期的観点からみれば、中国市場は将来有望ということでしょう。
「中国からの強い要請」をあげるものも六五社と「中国市場」の一〇八社に続き、外資導入により近代化を図ろうとする中国の熱意とそれに応じようとする日本企業の姿勢もうかがわれます。
また中国側からみれば、欧米の技術より、より実用的な親しみやすい日本技術の方が導入しやすいこと、日本企業にとっては、中国は外国といっても日本に最も近い国のひとつであることもその背景にあります。
生産拠点としてのメリットである「低廉な労働力」、「原材料が豊富あるいは安価」三四社をあげるものは意外に少なく、かつてのアセアン諸国等への企業の進出動機とは違いがあることを示しています。
しかし、最近のアジアNICS諸国の労働コストは上昇しており、中国の低廉な労働力は今後有利なものになってくると思われます。
海外への直接投資を行う場合、多くの問題が生じます。
中国の場合も例外ではありません。
とくに社会体制を異にする中国では、自己の利益を追求する資本主義の企業が、計画経済という他律性の強い枠組みの中に組み込まれ、しかも中国が対外開放政策に転じて日も浅いことを考えれば、多少問題が生じても仕方のないことだと思われます。
以下いくつかの留意点にふれてみましょう。
日本輸出入銀行の「対中投資アンケート」では、問題点として「法制度の未整備」をあげるものが最も多くなっています。
これは日中投資保護協定がいまだ締結されていないという心理的要因もありますが、法制度の未整備が中国進出の最大の問題といえましょう。
一般的に、中国の法律はあらゆるケースを想定して制定されたものではなく、原則のみを定め、実施細則等は行政機関、担当者の裁量に任せるといった発想がみられます。
このため法解釈の違いがしばしば生じています。
また外国人の目にふれきせない内部規定や通達が存在しているようです。
外国投資者にとって、法律が実際の運用次第で変わり、自分たちの知ることができない規定があっては、どうしても不安が残ります。
「渉外経済契約法」第四〇条には「法律で新しい規定がなされた時にも、契約の規定をそのまま執行することができる」と規定されており、合弁企業等の法的安定性を確保する意味からも、当面は様々な場面を想定した詳細な契約書、定款の作成を心がけておく必要があります。
合弁企業は「外貨収支は一般にバランスが保たれていなければならない」と規定され、企業自身で外貨収支バランスをとること、すなわち自己責任による必要外貨の調達を義務づけています。
たとえ中国国内への販売を認められたとしても、入金は通常「人民元」であり、人民元の外貨への自由な交換は許されません。
中国国内への外貨販売は先進技術を有しているもの、輸入代替となるもの等が条件とされており、中国の厳しい外貨事情を考えれば、一般的には難しいものと思われます。
合弁企業としては、原材料・部品の輪・六年一月には「合弁企業の外貨バランスに関する規定」が制定されました。
これは既に中国に設立をされている合弁企業が外貨不足に陥った場合、合弁企業間の外貨の融通等の救済措置を規定したものですが、それほど事態の改善には寄与していないようです。
中国の合弁法の特色のひとつに合弁期間の制限があります。
しかしこれは中国独特のものではなく、インドネシアや東欧諸国の合弁法にもみられるところです。
これまで合弁期間は原則として一〇年から三〇年と規定されており、八六年一月に「中外合資経営企業法」第一〇〇条が改正され、健ハ常一〇年から三〇年、投資が大きく、工期が長く、利益率が低い事業で、外資側が先進的技術や最先端産業のキーポイントとなる技術を提供したり、ります。
入、外貨による借入金の返済、利益送金、外国人の給料・住宅等、どうしても外貨で支払わなければならない部分が相当あります。
したがって中国国内市場への販売を考えるのであれば、外貨を何らかの形で稼ぐ必要があります。
合弁企業は「製品を国際市場で販売することを奨励する」と規定され、中国側は契約書に輸出比率の明記を求めて来ます。
実際の合弁例でみると、一〇〜一五年のものが半分程度を占め、次いで一五〜二〇年のものが二割程度となっており、大部分の合弁期間は二〇年以内となっています。
もっとも、中国側の出資には土地の使用権等の現物出資が多く含まれ、しかも合弁期間中の使用料が原則として一括して現物出資されることから、合弁期間が長くなればなるほど実質的な外資側の負担が増えてくるおそれもあります。
合弁期間が設定されていることは、外資側にとっては短期的な投資回収を考えねばならず、新たな企業発展や技術革新のための再投資を難しいものにする傾向があるといえます。
もっとも企業サイクルを考えれば、三〇年程度の合弁期間でも十分活動が可能であり、大きな障害ではないとする企業もあります。
中国には授権資本の概念はなく、資本金といった場合は、合弁企業設立のために各当事者が出資した金額で登記管理機関に登録された出資総額をいいます。
投資総額とは、合弁契約および掟です。
あるいは国際市場において競争力を有する産業である業種は五〇年まで延長可能、伽国務院の特別の承認で五〇年以上も可能、と若干緩和されています。
しかし実際には個別に中国側との交渉により決められており、必ずしも投資者側にとり十分な期間が認められない場合が多いようです。
ねばり強い交渉により中国側が提起した合弁期間よりも長い合弁期間で決着することもあるよう款に定める生産規模に応じて必要とされる固定資産と流動資産の合計額をいいます。
当初中国には、投資総額に対する資本金比率について特に法律等の規制はありませんでした。
しかし資本金が一%で残り九九%が借入金という極端な例もあり、八五年九月にこの比率についての内部規定が設けられ、試行されていることについては、外国企業の知るところとなっていました。
この内部規定を満たさないため、中外合弁企業の設立について拒否されたものも出ているとの新聞報道もなされていました。
この内部規定は、八七年三月に「中外合弁企業の資本金と総投資額の比率に関する国家工商行政管理局の暫定規定」となって公布されました。
当初の内部規定と比べ資本金による調達比率が小規模なものに緩く、大規模なものについて厳しくなっています。
この規定は合作、独資企業についても適用されます。
この規定の制定により、経済合理性に基づいての効率的な資金調達が困難となり、とくに中小企業の中小規模合弁事業の推進に水をきすものと懸念されます。
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